なぜSDGs?

SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の意味であり、国連によって採択された2016年から2030年までの開発目標です。

SDGsの17の目標。United Nations Department of Global Communications

宇宙技術とSDGsとの関係を考えると、JAXAにおける取り組みの例に見られるように、地球観測衛星に関する技術開発と利用がSDGsの貢献に対して、非常に親和性が高いことがわかります。

特に文化様式・民族構成・経済規模の大きく異なる国々が隣接するアジア地域では、環境問題や大規模災害に関する政策を国家間で話し合う際にも、互いの立場を尊重した円滑な合意形成・意思決定を実施する必要があります。そのためには、客観的で科学的な環境に関するマップ(空間情報)を共有する必要があります。

地球観測衛星から得られるデータからは、このような立場や価値観の異なる人々が話し合うための共通の「マップ」が作成できます。これは気候変動など人類社会が抱える様々な課題に向き合い、解決へ向かうための重要な情報インフラと言えます。

また、衛星データは様々な物理量の「マップ」を提供しますが、それを上手く課題解決につなげるためには、ただデータを提供するだけでなく「どのような形でマップを提供するか」の工夫が必要となります。衛星地球観測学を追究し、観測>データ>空間情報(マップ)>解釈>意味付け>合理的行動>人類にとっての不幸の軽減、の流れを洗練・発展させることで、衛星観測の恩恵はさらに堅実なものとなるでしょう。